こんにちは、中小企業診断士の古川里奈です。
本日は、事業再構築補助金における「事前着手申請」をご紹介します。
事前着手申請とは?
事前着手申請は、公募要領(第三回)には以下のように記載されています。
>交付決定前に補助事業を開始された場合は、原則として補助金の交付対象とはなりません。
>ただし、本事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による
>事業活動への影響や、足許の認定経営革新等支援機関等における事業計画の
>策定支援の状況等も鑑み、早期の事業再構築を図っていただくために
>必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても事務局から
>事前着手の承認を受けた場合は、令和3年2月15日以降に購入契約(発注)等を行った事業
>に要する経費も補助対象経費とする特例を、第3回公募においても継続します。
要はどういうことかといいますと…
一定の手続きを行うことで、交付決定前であっても事業を開始できる!ということです。
そもそも…事業再構築補助金を使った事業を開始するまでの流れと落とし穴
通常、補助事業を実施するまでの流れは以下のようになっています。
補助金公募開始 【事務局】
→補助金申請のための計画書策定 【事業者】
→補助金申請 【事業者】
→審査、採択発表 【事務局】 …審査から採択発表までは通常1~2ヶ月
→交付申請 【事業者】
→交付決定 【事務局】 …交付決定までの期間は補助金によってまちまち
→事業開始 【事業者】
このように、事業計画の策定から採択発表までかなりの期間を要するばかりか、
採択後も交付申請~交付決定の手続きにより、事業者と事務局とのキャッチボールが続くことが分かります。
そのため、事前着手申請をしていない場合、事業計画の策定から考えると、
長ければ半年ほどの期間を要してしまうこともあるのです。
更に、事業再構築補助金の特徴として、
交付申請から交付決定までにかかる期間が他の補助金と比較して非常に長い傾向にあることがあげられます。
交付申請が長期化するのは、類似の補助金であるものづくり補助金等と比較すると
・都道府県の事務局による事前チェックなど、固定された担当者によるサポートが薄いこと
・見積書の記載内容や細かな記載についてチェックが厳しいこと
・補助対象経費が幅広いため、付随する書類が多く必要であること
などが理由で、差し戻しが非常に多いことが理由ではないかと想定できます。
いずれにせよ、事業再構築補助金に関しては
「思ったよりも長くなってかかってしまい、いつまでも事業をスタートできない!」
という事態になる可能性がかなりの確率でおこりえます。
実際に、私が支援させていただいているお客様や同業の知人が支援しているお客様の話を聞いていても、
2回3回の差し戻しは当たり前、5回の差し戻しを受けている…などという話もよく聞いています。
事前着手申請は、事業開始までの期間の罠を防ぐための転ばぬ先の杖
しかし、コロナ禍からリスクを取って設備投資をすることでいち早く経済的に立ち直ることが
事業再構築補助金の目的であり、事業開始までに長い時間がかかると新事業の収益が得られないばかりか、
通常の事業活動のコロナ影響が大きくなり経営に重大なリスクを抱えることとなる可能性もあります。
そこでおすすめするのが事前着手申請です。
事前着手申請は、既に締め切られた第1回~第3回公募まで、公募要領に定められた手続きです。
第4回公募でも継続するかは現時点では不明です。
手続きは簡単で、事業再構築補助金ホームページの「資料ダウンロード」ページ最下部に必要な資料が揃っています。
このうち、「事前着手承認制度申請書」を記入見本に従って記入し、メールで事務局へ送れば申請完了です。
通常、2週間程度で事前着手についての承認可否通知が送られてきます。
注意点としては、
・事業計画書の申請はGbizを通して実施しますが、事前着手承認はメールで別途申請が必要であること
・承認通知までに2週間以上の時間を要するため、なるべく余裕を持って申請したほうが良いこと
・事前着手申請がおりても、採択可否とは関係がないこと(事前着手がOKでも不採択なら補助金は出ません)
ぐらいでしょうか。
事前着手申請は、事業計画の申請と同時か申請後に行うのがおすすめ!
とはいっても、事業計画の策定で忙しいから手が回らない…という事業者もあるでしょう。
そういった事業者様には、交付決定まではいつでも申請ができるため、
事業計画の申請後に採択発表を待ちながら事前着手申請を行うことをおすすめします。
採択されてもされなくても行う、という事業者以外は、
事業計画の申請
→事前着手申請
→採択発表で採択されたことを確認
→交付申請と同時に事業を進める
といった流れで行うと最もリスクが低く、迅速に事業をはじめられるためオススメです!
事前着手申請をしても、採択発表前に事業を開始しなければいけないわけではありません。
採択発表後は不正等がない限り原則として採択が取り下げられることはなく、
補助金交付の内定状態にあたります。
(説明が不十分、補助対象外であるとみなされて経費が弾かれる可能性はあります)
そのため、採択発表後の事業開始がスピード感とリスクにおいて最も釣り合いが取れていると考えられるのです。
第4回の検討者様はもちろん、第3回の結果待ち状態…という方も事前着手申請を行ってみてはいかがでしょうか。
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