事業再構築補助金の全データ分析~採択を掴むキーワードはこれだ!~

事業再構築補助金

こんにちは、中小企業診断士の古川里奈です。

「事業再構築補助金に採択されるためのキーワード」について、過去2回の全ての採択結果を独自分析しました。


採択を掴むキーワードとは

今回行ったのは、事業再構築補助金公式ホームページで公開されている第2回の採択結果から、採択案件のタイトルにおいて最も多く使われている単語はなにか?を分析したものです。

多く使われている単語から分かること

そもそも、なぜ多く使われている単語に注目すべきなのでしょうか。

それは、多く使われている単語は「事務局として事業再構築の意図に合致した取り組みとみなされやすい計画」だと考えられるからです。

もちろん、全く同じ事業者はこの世になく、事業計画を立てる上では事業者に沿った計画を立てることが不可欠です。(そもそも同一・類似の計画は不正な申請とみなされ不採択となります)

しかし、同じようにコロナ禍による苦境からの事業再構築を目指す事業者の取り組みは、採択を目指すだけでなく自社の事業再構築を考える上でも参考になる点が多いでしょう。

例えば事業再構築である業種に進出しようとしている場合に他社の事例を参考にすれば、採択されやすくなるための計画のアレンジ方法が分かりますし、さらに同じようにその業種に進出しようとしている企業はどんな強みを活かそうとしているか(自社で活かそうとしている強みとはどう違うか?それぞれの効果は?)、どのような方式で実現しようとしているか(自社の計画との違いは何か、自社と他社それぞれなぜ違うのか、取り入れられる優れた点はないか)など、新しい観点で自社の計画を見直すための情報も得られます。

分析の手法

簡単に分析の手法を公開します。今回は公式ホームページで採択結果として公開されている第二回の結果からタイトルを抽出し、UserLocal様のテキストマイニングツールを用いて単語を分解、頻出順を調べました。


他の記事でも事業再構築補助金の採択・活用のヒントとなる記事を書いています


分析結果(一覧)

分析結果の一覧を以下の表に示します。
事業再構築第二回の採択発表において使われている単語とその出現回数を分析、前半は1位~60位、後半では61位~118位までを抽出しています。

ちなみに、事業再構築の第二回では9,336社が採択されています。

事業再構築補助金 第2回の採択結果で最も使われたキーワード(前半)
分析結果(1位~60位)
事業再構築補助金 第2回の採択結果で最も使われたキーワード(後半)
分析結果(61位~118位)

「事業」や「する」「展開」「販売」など、事業の内容を示すものではないキーワードも多いですが、
後半までを見ていくといくつかの傾向が見えてきます。

多く用いられているキーワードについてグルーピングすると、事業の方向性はだいたい次の3つに分類できるようです。

  • デジタル活用
  • 飲食店の非接触化
  • 空間を提供する事業

それぞれ見ていきましょう。


デジタル活用

「オンライン」「システム」「EC」「サイト」「配信」「AI」「デジタル」「動画」「マッチング」「アプリ」など、対面型のビジネスをデジタルを用いた非接触型へ事業転換していく計画が上位に目立ちました。

デジタル活用はあらゆる業種に相性がよく、さらに公募要領でも「先端的なデジタル技術の活用」が審査項目となることが示されています。これらから、デジタルを活用した事業再構築は採択されやすくあらゆる事業者にとって計画しやすいため、多く登場しているキーワードとなったことが想像できます。

飲食店の非接触化

「テイクアウト」「カフェ」「飲食」「飲食店」「冷凍」「食材」「食品」「居酒屋」「レストラン」「料理」「デリバリー」など、飲食にまつわるキーワードも多く登場しました。

キーワードを含む事業計画を採択者一覧からピックアップしてみると、これらはさらに
飲食店を新たに開業する計画と、②飲食に関連する他事業に進出する計画の2つに分けることができました。

①飲食店を新たに開業する計画を紐解いて特徴的なのは、地域連携の拠点化やワークスペースの提供など、従来の飲食店としての役割ではなく、場所に付加価値を持たせる計画が多いことです。どうしても接触型・コロナ禍の影響を受けやすいイメージを持たれがちな飲食店ですが、ウィズコロナに適した形に変えて計画を実現・採択させています。

②飲食に関連する他事業への進出においては、一番多いのがデリバリーへの進出でした。
特徴的なのは、デリバリーへの進出については既存事業が飲食業の事業者だけではなく、他業種からの進出も見られることです。

例えば既存事業で宿泊業を行っていればホテルや旅館で提供している食事を届ける、地域との繋がりが深ければ地域内のネットワークを活かして事業を広める…のように、デリバリーに取り組みやすい状況を活かせる事業者が多いのでしょう。自社の強みを活かせる事業であれば、既存事業と一見関わりがなさそうであっても採択されることが分かりますね!

さらに、既存の飲食店が冷凍食品を製作し販売するという事業者も見られました。飲食業→製造業のような進出は、通常そのための機械装置の導入やノウハウを得るための費用に大きなコストがかかりますが、事業再構築補助金で費用負担を抑えられるため、大きなチャンスになっているのではないでしょうか。

空間を提供する事業

「スタジオ」「サロン」「スペース」のように、空間にまつわるキーワードも多く登場しています。

実際の採択事例を見てみると、従来の接触型の事業を、顧客がセルフで行えるような空間や個室の空間へと作り変える事業者が多いようです。また、オンラインの予約システムの活用などにより、事業の仕組みから対面での業務を取り除く計画が多く見られました。

予約システムの導入などにより従来よりも単純作業にかかる稼働が減ることで、公募要領の審査項目である「補助事業の費用対効果」などで有利に働くことが期待できます。


採択案件のキーワード分析、いかがでしたでしょうか。

事業再構築補助金の申請を検討されている事業者様は、採択案件のキーワードも参考に自社の事業再構築について考えてみてはいかがでしょうか。

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コメント

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