中小企業の資金繰り改善!キャッシュフロー経営の基本戦略

1. はじめに

売上があるのにお金が残らない…」や「資金繰りに追われて経営に集中できない…」と感じている中小企業経営者は少なくありません。資金繰りが安定していないと、利益が出ていても突然の支払いに対応できず、経営に大きなダメージを受けることもあります。本記事では、キャッシュフロー経営の基本戦略を解説し、具体的にどのように資金繰りを改善すればよいのかを紹介します。

2. キャッシュフロー経営とは?

キャッシュフローとは、企業のお金の流れを指します。売上があっても、そのお金がすぐに手元に入らなければ資金繰りは厳しくなります。多くの企業が「黒字倒産」に陥る原因は、利益があってもキャッシュが不足しているためです。キャッシュフロー経営では、売掛金と買掛金の管理を徹底し、現金が滞りなく循環するような経営を目指します。

3. 資金繰りを改善するための基本戦略

(1) 入金サイクルを短縮する

資金繰りを改善するためには、まず「お金が入ってくるタイミング」を早めることが重要です。売上を上げても、売掛金の回収が遅ければキャッシュフローは悪化します。請求書の発行を納品後すぐに行い、支払いサイトを短縮する交渉を行いましょう。

また、デジタル決済を活用することで入金サイクルを改善できます。例えば、紙の請求書を発行して郵送する場合、取引先が受領し処理するまでに数日~1週間かかることが一般的です。しかし、電子請求書を使用し、オンライン決済を導入すれば、発行と同時に取引先へ通知が届き、支払いがスムーズに行われる可能性が高まります。

さらに、前払い・着手金制度を導入するのも有効です。すべて後払いにするのではなく、契約時に一部を前払いしてもらうことで、安定したキャッシュフローを確保できます。これは、安易なキャンセルを防ぐための手段としても有効です。一方で、手形割引やファクタリングの活用は緊急時の手段として考えるべきです。手数料が発生するため、手元に残る現金が減少するリスクがあるため、長期的な解決策としては不向きです。

(2) 支払いサイクルを最適化する

支払いサイクルの最適化も資金繰り改善に欠かせません。仕入先との交渉により、支払いサイトを延長できれば、キャッシュの流出を抑えることができます。しかし、すべての仕入れ先と交渉できるわけではありません。そのため、他の仕入れ先を探すことも選択肢の一つです。複数の仕入れ先を比較検討し、条件の良い取引先を選ぶことで、支払いの柔軟性を高められます。

(3) 適正な運転資金を維持する

キャッシュフローの安定には、適正な運転資金の管理が不可欠です。そのためには、資金繰り表を作成し、常にキャッシュの流れを把握しておく必要があります。会計ソフトの中には、自動で資金繰り表を作成し、リアルタイムで資金状況を把握できるものもあります。手作業で管理するとミスが発生しやすいため、こうしたツールを活用することで、より正確で迅速な資金管理が可能になります。

(4) 利益率を高める

資金繰りを良くするためには、利益率の向上も欠かせません。単価を見直し、値上げ戦略を検討することで、少ない取引でも収益を確保できるようになります。また、利益率の高い商品やサービスに注力することも重要です。

コスト削減の取り組みも同時に行いましょう。例えば、無駄な広告費や過剰な在庫を見直すことです。その広告はどれだけ効果が出ているでしょうか?広告による効果検証を行うことにより不要な支出を抑え、キャッシュフローを改善することができます。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)も一つの手段です。業務の自動化や効率化を図ることで、生産性を向上させ、より少ないコストでより大きな成果を上げることも可能です。

(5) 銀行との関係を構築する

資金調達の手段を複数持っておくことで、キャッシュフローの安定につながります。特に、銀行との良好な関係を築くことは、資金繰りの安定に不可欠です。銀行は信用を重視するため、定期的に業績報告を行い、事前に融資の相談をしておくことが重要です。それにより、必要な時にスムーズに資金調達ができるようになります。日頃から金融機関とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を構築することが重要です。

4. まとめ

資金繰りを改善するためには、入金サイクルの短縮、支払いの最適化、運転資金の適正管理、利益率の向上、そして銀行との関係構築が重要です。特に、資金繰り表を作成し、キャッシュの流れをしっかり把握することが、安定したキャッシュフロー経営につながります。

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